MEMBER

自然と教育、自然と人とをつなぐ人になりたい

阿賀 花
(あが はな)
宮城県 栗原市出身
企業研修型/現役隊員
 日差しを和らげる木々と、穏やかな川のせせらぎ。丸森町の不動尊公園キャンプ場には、そうした自然の癒しを求めて県内外から多くの人々が訪れる。
 「小学校時代から夏になると、家族や友人家族とキャンプに出掛けていて。今でも恒例行事なんです。数年前からはソロキャンプも始めて、この場所にも訪れたことがありました」
 そう語るのは、7月から地域おこし協力隊に着任した阿賀花さん(32)。現在はキャンプ場や場内にあるサウナ、さらに大内地区にオープンした一棟貸切宿「MARUMORI-STAY 風土」の運営などに携わっているが、つい今春までは県内の小学校教諭として教壇に立ち、子どもたちの成長を見守ってきた。「まさか自分が丸森で、しかもキャンプ場で働くことになるとは、当時は夢にも思っていませんでした」と、不思議な縁で辿り着いたこの場所を見渡す。

教員を経験した私だからこそできること

 祖父母、両親共に小学校教諭という教員家庭に育ち、その影響で自然と教員を志した。とは言え、職業選択の折には「色々な世界を知ってからでも遅くないのでは」と一般企業の説明会にも足を運んだが、教育実習で訪れた母校での恩師との再会により、「やっぱり先生になろう」と進むべき道を改めて決断した。
 その学校現場では、自然を通じて多くのことを学んできた自らの経験から、教科書に向き合う学びだけでなく、体験学習や自然と触れ合う時間も大切にした。そうした日々に大きなやりがいを感じる一方で、現場では様々な事情を抱える家庭の声にも直に触れた。「学校と家庭だけが居場所ではないはず。幅広い選択肢や学びを提供することはできないのだろうか」。そう考え続けた末に明確になったのが「学校の外から自然と教育、自然と人とをつなぐ人になりたい。教員を経験した私だからこそできることがきっとあるはず」という想いだった。

大切な人を守るために、まずは知ることから

 教員時代から、東日本大震災に見舞われた宮城県の教員として、「大切な人を守るための防災の考え方を伝えたい」と、防災士や災害対策アドバイザーなどの防災教育につながる様々な資格を取得してきた。新たな道を歩み始めた今もその想いは変わらない。だからこそ、阿賀さんはミッションの一つに「アウトドア飯の開発」を掲げ、「どんな知識がどのように役に立つかは分からない。まずは知ることから」と、丸森に来てからは、猟師や野草のインストラクターなどへの興味も膨らんでいる。

どこまでも広がってゆく好奇心

 「夏から秋にかけて日々移り変わる田んぼが本当に美しくて」。移住してまだ半年に満たない中ではあるが、すでに丸森の自然との距離、そして人と人との距離の近さを噛み締めている。栗原から足を運んでくれた両親にもキャンプ場を案内し、「『今度の夏にみんなで来たいね』って言ってくれて。だから来年の夏が今から楽しみなんです」と目を細める。
 これから、阿賀さんにとって丸森で初めての冬が訪れ、やがて春を迎え、再び夏が巡ってくる。その間には新しく考えた企画も予定されている。「まだまだ知らないことも、やらなくちゃいけないこともたくさん。でも今は、経験したことのない全てが楽しくて仕方がないんです」と、丸森の豊かな自然の中で、好奇心はどこまでもどこまでも広がってゆく。
不動尊公園キャンプ場
事業内容:
キャンプ場指定管理業務・サウナ施設運営管理・カフェ事業・自然体験アクティビティ企画運営

住所:
丸森町字不動64-1

TEL:
0224-72-2646

営業時間:
9:30~17:30(冬季は9:30~17:00)

休園日:
火曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始・その他臨時休業日


MARUMORI-STAY 風土
事業内容:
宿泊施設運営管理

住所:
丸森町大内字南平221-2

MAIL:
info@marumori-sauna.jp


WEB:
https://www.fudousonpark.site/(不動尊公園キャンプ場)
https://www.marumori-sauna.jp/marumori-stay(MARUMORI-STAY 風土)
https://www.marumori-sauna.jp/(MARUMORI-SAUNA株式会社)
https://www.iguryokka.jp/(株式会社伊具緑化)

文・口笛書店/撮影・江森 康之

その他の丸森町地域おこし協力隊

    地域おこし協力隊一覧